相同組換えの鎖交換とDNA合成をつなぐ制御メカニズムの解明 システム生命科学府 システム生命科学専攻 相同組換えは、相同な配列を利用して DNA 二重鎖切断損傷を修復する反応である。この反応は、鎖交換反応と引き続く DNA 合成反応が修復の鍵を握る。DNA 合成反応を促進する因子の 1 つとして、Mcm8-9と呼ばれる DNA 巻き戻し酵素 (ヘリカーゼ) が挙げられる。しかし、この因子が鎖交換後に損傷部位にどのように呼び込まれ、活性が制御されるのかなど、相同組換えにおける鎖交換とDNA合成をつな [...]
歯特異的転写因子AmeloDのエナメル芽細胞分化制御機構の解明 歯学府 歯学専攻 近年小児歯科領域においてエナメル質形成不全の罹患率が上昇していることが大きな問題となっている。 エナメル質形成は未分化な内エナメル上皮が分化してエナメル芽細胞となり、アメロゲニンやエナメリンなどの構成タンパクを分泌する過程によって進行し、その分化過程は複数の転写因子によって制御される。しかし、既知の因子だけでは全容を解明できない。 そこで、近年同定された遺伝子であるAmeloDによるエナメル芽細 [...]
表皮幹細胞の不均一性理解から紐解く新たな皮膚炎症応答メカニズム 医学系学府 医学専攻 組織幹細胞の不均一性は、臓器の正常な機能を発揮する上で重要な役割を担っているが、加齢や疾患によって破綻することも知られる。例えば、加齢による造血幹細胞不均一性の崩壊は免疫システムの機能不全に関連するが(Mann et al., Cell Rep. 2018)、それを抑制することで免疫系を若返えらせる可能性が報告されている(Ross et al., Nature 2024)。つまり、組織幹細胞の不均 [...]
膵 β 細胞 XAF1 が膵島機能及び糖尿病発症に及ぼす影響 歯学府 歯学専攻 本研究では、膵 β 細胞における XAF1 が膵島機能および糖尿病の病態に及ぼす影響について、主に in vivo で検証した。高脂肪食負荷における、膵島マクロファージ由来 IFNβ を介した β 細胞 XAF1 発現の増大は、β 細胞のアポトーシス亢進を介して、インスリン分泌を減弱させ糖尿病の増悪に関与した。本研究結果から、高脂肪食誘導性の膵 β 細胞 XAF1 発現と糖尿病の病態悪化の関連性が [...]
MRONJにおけるベニジピンの効果についての検討 歯学府 歯学専攻 薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)は、骨粗鬆症治療やがん治療に用いられるビスホスホネート製剤(BP)などの主な副作用の一つであり、難治性の顎骨壊死を主徴候とする。MRONJ の発症メカニズムはいまだ解明されておらず、確立した治療法がない。 高血圧治療薬であるベニジピン(BD)は、血圧を下げる作用のほかに、副次的作用として、骨形成促進、口腔軟組織の治癒促進、血管新生促進作用が報告されている。 さらに、 [...]
マルチパラメトリックMRIを⽤いた頭頸部腫瘍に対する3D診断モデルの構築 歯学府 歯学専攻 本研究では、MRIを用いた頭頸部腫瘍に対する高精度かつ汎用的な診断モデルの構築を目指している。ダイナミック造影MRIにおける時間信号曲線(TIC)と腫瘍の種類や予後との関連を解析するとともに、T1・T2強調画像や拡散強調画像など異なるシーケンスのMRI画像を統合的に活用し、診断精度の向上を検討する。さらに、AIを用いた施設間差の補正や多施設データ学習を通じて、異なる撮像条件下でも安定して利用可能な [...]
言語理解の個人差を生む処理基盤の解明 人文科学府 言語・文学専攻 近年、心理・神経言語学では言語処理メカニズムの研究が進み、利用する情報には大きな個人差があることが知られるようになった。しかし、その基盤は十分に理解されていない。 本研究では、言語処理を脳活動の予測モデルとして表現し、各情報への依存度を指標として個人差を定量的に評価する。 本研究によって、言語処理における個人差の理解が深まり、将来的に失語症リハビリテーションや言語学習支援への応用が期待される。
BRCA1もしくはBRCA2変異陽性卵巣癌治療後に発生した治療関連骨髄性腫瘍の新規治療法の開発 医学系学府 医学専攻 卵巣癌は婦人科悪性腫瘍の中でも予後不良な疾患で、再発率が高く、複数回の化学療法を受ける患者が多い。また、生殖細胞系列のBRCA1もしくはBRCA2に病的変異をもつ遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の患者では、乳癌治療後に卵巣癌を発症するなど化学療法の繰り返しが特に多くなる場合がある。ここで問題となるのが、治療関連骨髄性腫瘍の発症である。治療関連骨髄性腫瘍は、悪性腫瘍などに対する放射線照射や抗がん剤 [...]