酸化脂質包括的解析手法の開発とその応用 薬学府 創薬科学専攻 酸化脂質は、疾患発症プロセスにおけるその重要性が示されてきた一方で、これまでに解析対象とされてきた酸化脂質種はごく限られたものであった。私は、酸化脂質の推定構造情報を掲載した構造ライブラリーを構築し、それを応用した包括的酸化脂質解析法を確立した。そして、本解析法を用い、疾患モデル動物にて生じる酸化脂質を解析することで、疾患の発症・進展に関与する酸化脂質種の探索に挑戦している。
ミスマッチ修復依存的なO6-メチルグアニン損傷応答の機構解明 システム生命科学府 システム生命科学専攻 O6-メチルグアニン(O6mG)は、チミンとも対合する変異原性の高い塩基損傷である。さらにO6mGは、他の多くの塩基損傷と異なり、増殖する細胞に強い毒性を示す。この性質を応用して、O6mGを誘導するテモゾロミドなどの塩基アルキル化剤は悪性神経膠腫の化学治療に用いられる。しかし、O6mGが細胞死を誘導する仕組みは十分に分かっていない。 興味深いことに、この細胞死はDNA修復機構の一つであるミスマッチ [...]
関節軟骨表層の細胞外マトリックス由来高分子による潤滑メカニズムを模倣した機能性表面の創出 工学府 機械工学専攻 関節軟骨の極めて低い摩擦現象には軟骨表層に存在する細胞外マトリックスが寄与している.このメカニズムを解明するために,細胞外マトリックスを有する軟骨組織の物理モデルを作製し摩擦低減効果を摩擦試験により評価する.さらに,軟骨表層の摩擦挙動を記述する数理モデルにより表面特性を支配するECMの物理パラメータを抽出し, 関節軟骨を模倣した機能性表面の設計指針の提案を目指す.
リードシート情報のトポロジカルな解析による楽曲に知覚された情動の定量化の試み 芸術工学府 芸術工学専攻 人はよく「この曲は明るい」「このメロディーは切ない」といった言語表現をする。しかしよく考えてみればメロディーとは12種類しかない音高の羅列であるにすぎない。「明るい」とは本来「カンデラ」という単位を用いて表される物理量に対する形容詞であり,それがただの数列に対して用いられるのは甚だ不思議である。楽曲の印象とは何なのか?楽曲の印象はなぜ生じるのか?楽曲の印象が発生するメカニズムを数学的に記述する術は [...]
日本における「社会性と情動の学習」(SEL)とそのアイデンティティへの影響: シンボリック相互作用論の視点から 人間環境学府 教育システム専攻 本研究は、個人、グループ、社会がどのように相互作用し、相互形成されていくかという観点から、こんにち普及しつつある「社会性と情動の学習」(SEL)と呼ばれる教育現象を探求する。そこから、どのような教育結果やアイデンティティが生じうるのかも探究する。 SELとは、共感や自己管理のような「人生の有効性」のための基本的な対人関係能力とされるものを、子どもや大人において明示的に身につけさせるプロセスを指す。 [...]
福祉施設を利用する障害者のWell-Being 向上につながる芸術活動を用いたワークショップのガイドラインデザイン 芸術工学府 芸術工学専攻 本研究は福祉施設を利用する障害者のWell-Being 向上に効果的な芸術ワークショップを、芸術の専門性を持たない職員でも実施できるようになるためのガイドラインを開発し、検証することを目的としています。 開発のプロセスは:「ワークショップのデザイン→ワークショップの効果検定→概念構成と提出→ワークショップの効果再検定→ガイドラインの構築」となっており、研究方法は混合研究法を用いております。 期待で [...]
上皮−間葉相互作用における細胞骨格ダイナミクスによる器官形成機構の解明 歯学府 歯学専攻 私たちの身体はさまざまな臓器で構成されており、それぞれがその機能に見合った特徴的な形態を持っている。臓器の “形 “を決定する要因については、これまで多くの議論がなされてきた。歯、毛髪、唾液腺などの器官は、上皮間葉相互作用によって形成されることが知られている。これらの器官は、発生のごく初期段階において、上皮が間充織に侵入する共通の「形」を持つことが知られている。われわれは、 [...]
副作用のない免疫抑制剤の開発 歯学府 歯学専攻 エナメル基質蛋白質の主成分であるアメロジェニンが核内移行しヒストン修飾を誘導することで、マクロファージによる抗原提示を抑制するという現象を先行研究で報告しました。本研究はアメロジェニンが免疫応答に与える影響およびそこに至るまでの分子メカニズムを解明するため、核内移行後のヒストン修飾における作用点の解明、また、人為的にアメロジェニンの活性増強が可能かを検証していきます。これらの結果をもって、アメロジ [...]