卵抽出液を用いた哺乳類老齢由来細胞の若返り 生物資源環境科学府 資源生物科学専攻 老化は時間経過に伴う形態的・生理的・機能的な変化を指し、がんなどの慢性疾患発症における主要なリスクファクターである。個体の老化は不可逆的な進行であると考えられてきたが、初期化誘導転写因子を用いた研究から、老化個体の若返りが原理的に可能であることが示されてきた。老化細胞の若返りは老化の過程で失われていくエピゲノム情報が、リプログラミンングにより元の状態に戻ることで実現されたと考えられている。本研究で [...]
環境移行による心理的危機に関する研究:場所概念を用いた臨床心理学的人間理解 人間環境学府 人間共生システム専攻 環境移行とは、人が慣れ親しんだ環境から新たな環境へ移ることであり(山本・Wapner,1992)、具体例としては病院への入退院や転校などが挙げられる。 特に、子どもや高齢者をはじめとする環境からの影響を受けやすい人々にとっての環境移行は大きな負担として経験され、その後の生活の質(QOL)に影響を及ぼすことから、危機的移行(南,1991)と称されることもある。 臨床心理学においても、環境移行が心理 [...]
歯周病によるヒアルロン酸を介した1型糖尿病増悪機序の解明 歯学府 歯学専攻 本研究の目的は、歯周病による慢性炎症と1型糖尿病の病態進行との関係性を解明することである。1型糖尿病(T1D)に罹患した膵島にはヒアルロン酸 (HA) が蓄積することが知られ、病態進行への関与が疑われる。私は、歯周病による炎症が膵島のHAの産生を促進し、T1Dの病態進行に寄与しているのではないかと仮説をたてた。本研究ではまず、膵島培養細胞への歯周病原細菌由来内毒素およびHAの影響を解析する。次に歯 [...]
多数歯欠損患者へのインプラントオーバーデンチャー装着が与える起立動作能力への影響について 歯学府 歯学専攻 日本の超高齢社会において、フレイル予防および転倒リスクの低減が重要な課題とされている。私 の所属する講座では、臼歯部の咬合支持喪失が口腔機能だけでなく起立動作能力(下肢筋力・バラン ス能)にも影響を与えること、特にインプラントによる治療が義歯に比べて下肢筋力維持効果を示す ことが検証されている。しかし、全身的・経済的制約により、インプラントで第二大臼歯まで咬合支 持を回復することが困難なケースも多 [...]
機械学習による炭素–水素結合(C–H結合)酸化代謝物の推測 薬学府 創薬科学専攻 「代謝」とは、生体内で化学物質が変化する一連の反応を指し、その中でも酸化反応は親水性を高めることで体外排出を促進する役割を担っている。代謝物の同定とその生物活性の評価は医薬品開発等において不可欠であり、質量分析が主要な解析手法として用いられているが、構造異性体の違いを判別できず、不安定な代謝物は検出できないことがある。 C–H結合解離エネルギーの全網羅的な計算により反応点の推定は可能だが、遷移状態 [...]
代謝する細胞質モデルを用いた非平衡流動化挙動の解明 理学府 物理学専攻 細胞内部では、生体高分子が密に混み合った複雑な構造の中で、代謝活動を行う非平衡開放系である。代謝活動が失活した状態に対して、生きた細胞内部は高い流動性を保持している。この流動化した状態は分子の輸送などの生命の恒常性を保つ上で不可欠であるが、そのメカニズムは明らかではない。そこで、代謝活動に伴って細胞内部で生じる力駆動に着目したモデル細胞質についてレオロジー計測を行うことで、混み合い環境における力駆 [...]
素数と結び目の類似性について 数理学府 数理学専攻 私の研究分野は数論とトポロジーであり、もちろん数論学者やトポロジストと協力することができます。数論と位相的量子場理論のつながりがあるため、理論物理学者とコミュニケーションを取り、協力することも可能です。一方で、現在の暗号理論の基礎は主に素数の特性に基づいています。素数と結び目には類似した挙動があるため、同じ考えを暗号理論に導入し、結び目の特性に基づいた暗号システムを設計することを考えることができま [...]
超低消費電力AIハードウェアのための生体神経回路設計 システム情報科学府 電気電子工学専攻 本研究は、生物の神経回路を模倣したAI演算ハードウェアの開発を目指し、従来のデジタル回路と比べて電力消費を大幅に削減します。特に、神経回路を基盤とした低消費電力ハードウェアをIoTデバイスに応用し、情報処理と学習の両方での省電力化を実現することを目指します。これにより、IoT技術のエネルギー効率と知能化を両立させることができます。さらに、開発したハードウェアは、バイオメディカルエンジニアリング分野 [...]