栄養状態が骨格筋の健全性を維持する間葉系間質細胞の不均一性システムにおよぼす影響 医学系学府 医学専攻 本研究は、筋組織維持に関与する間葉系間質細胞(MSC)の亜集団に着目し、高脂肪食など栄養変化がその構成と機能に与える影響を明らかにする。マルチモーダル解析により細胞間相互作用やシグナル経路を解析し、生活習慣病の新たな予防・治療標的の同定を目指す。さらに、他分野や企業と連携し、予測モデルの構築や機能性食品の開発、個別栄養指導への応用も視野に入れる。
誘導腸前駆細胞におけるリプログラミング機構の解明 医学系学府 医学専攻 誘導腸前駆細胞(iFIPC)とは、遺伝子導入によって皮膚の細胞である線維芽細胞からiPS細胞を介さず直接的に誘導される腸前駆細胞である。この細胞の運命転換には、特定の4つの転写因子が必須であり、iFIPCにおいてこれら4つの転写因子がどのように作用するのかという分子メカニズムは今現在も分かっていない。先行研究では、細胞の運命転換における分子メカニズムを解明することで、より効率的かつ機能的な細胞を誘 [...]
Activin A を用いた新規直接覆髄材の開発 歯学府 歯学専攻 近年、歯髄保存治療の重要性が高まり、歯髄の生理機能を温存するための材料開発が求められている。中でも、生活歯に対して行われる直接覆髄法は、適切な材料を用いることで歯髄の生存と再生を促す可能性を持つ。本研究では、組織の修復に関与するタンパク質であるActivin Aに着目し、これを有効成分として含む新規覆髄材の開発を目的とする。 まず、Activin Aの生体適合性およびヒト歯髄幹細胞に対する分化誘導 [...]
炭酸アパタイト製骨補填材の有効性を支える間葉系幹細胞の役割について 歯学府 歯学専攻 抜歯後には著しい顎骨の吸収がみられるため、インプラント治療など欠損補綴の前に骨造成を必要とする症例は多い。近年になって骨の無機成分である炭酸アパタイト(CO3Ap)による骨補填材が開発され、販売されている。臨床の現場ではCO3Apを用いることで、早期の骨形成と骨量のコントロールができており、その有効性が示されている(Ishikawa 2018, Zhang 2021)。一方で、どのような機序でどの [...]
障害者芸術に潜む倫理的葛藤:現場実践への質的調査を通じた実証的研究 芸術工学府 芸術工学専攻 本研究の目的は、障害者福祉における芸術活動の中で生じる倫理的葛藤の問題に対し、その現状を明らかにし、新たな理論構築を行うことである。具体的には、障害者芸術の支援に向けた全国的な活動の広まりや文化政策の展開を踏まえ、複数の障害者福祉施設で質的調査を実施する。その上で、海外の知見を取り入れつつ、障害者芸術の支援を意図する現場や政策が倫理的葛藤への対応策を見出すための拠り所となる指針を提示する。
分子間カップリングを基盤とした代謝耐性型シアロ糖鎖の統一的合成法の確立と応用 薬学府 創薬科学専攻 本研究では、ケミカルバイオロジー研究を指向した代謝耐性型シアロ糖鎖アナログの新規合成法の開発を行う。従来、シアロ糖鎖は生物学的手法により機能解析が行われてきたが、分子レベルでの機能解析の実現にはケミカルバイオロジー法の確立が必須である。本法確立における課題の一つは、生体内酵素による糖鎖の分解にあることから、代謝を受ける結合部に修飾を施し、糖鎖本来の機能を摸倣しつつ代謝耐性を付与したアナログ群を創製 [...]
チタン製矯正用アンカースクリューにおける炭酸アパタイトコーティングによる早期骨結合の獲得 歯学府 歯学専攻 歯科矯正で歯を動かす時の支点として使用されているアンカースクリューは、治療中に約40%が脱落している。これはアンカースクリューと骨との固定を機械的嵌合のみに頼っているためである。アンカースクリューの早期固定を実現するには、チタンが本来持つ骨と結合する性質(オッセオインテグレーション)に加え、より早期の骨との結合を導く「骨伝導」を活用することが有効であると考える。そこで骨の無機成分であり骨伝導性に優 [...]
スパース重ね合わせ符号とニューラルネットワークにおける線形回帰問題の研究 システム情報科学府 情報理工学専攻 情報工学の以下二つの分野で線形回帰問題の観点から理論的な研究を行った。一つ目は符号理論の分野であり、スパース重ね合わせ符号は線形回帰問題と密接に関連している。私はこの符号を大幅に単純化しても同様の通信速度限界を達成することを証明した。二つ目は深層学習の分野であり、最も単純化したケースは線形回帰問題となっている。私はこのケースにおいて深層学習の仕組みの理解に役立つ、Fisher情報行列の新たな特性を [...]