ユニークな 3 次元構造をもつ糖—アミノ酸ハイブリッド骨格の構築 薬学府 臨床薬学専攻 従来の化合物ライブラリーは、sp2–sp2クロスカップリング反応や縮合反応を利用して構築されているため、(ヘテロ)芳香環を主とした平面的な化合物が多くを占める。ケミカルスペースの拡大には、立体に富んだ天然有機化合物の利用が理想であるが、その複雑な分子構造がゆえに合成難度が高く、量的・数的供給は困難である。そこで当研究室では、独自に設計した3次元骨格を合成・誘導化することで、天然物のよう [...]
蛍光バーコードベクターを用いた脳領域間神経投射の多重解析 医学系学府 医学専攻 脳の神経細胞は、異なる脳領域を横断し情報を伝達することで機能を創出している。したがって脳の機能を理解するためには、領域間の投射を捉えることが必要不可欠である。しかし、領域間投射のマッピングが可能な既存技術はスループットが悪いため、脳の動作原理を解明する上での大きなボトルネックとなっていた。そこで本研究では、複数の蛍光タンパク質を組み合わせで発現させることにより、領域間投射の多重解析を可能にするツー [...]
脂質代謝に焦点を当てることによる脳マクロファージの理解 医学系学府 医学専攻 脳内マクロファージであるミクログリアと境界関連マクロファージ(CAMs)は共通の起源を持ちますが、局所環境における機能維持の仕組みやCAMsの病態生理的役割は未解明です。近年の知見やトランスクリプトーム解析から、脳内での「代謝リプログラミング」の重要性が注目されており、特にCAMsではミクログリアと比較して、生体膜やシグナル伝達を担う「脂質代謝関連経路」が高度に活性化していることが示されています。
脳梗塞の治療効果を持つ自己抗体の同定 医学系学府 医学専攻 脳梗塞後の神経障害は、炎症や脱髄によるもので詳細な分子機構は未解明です。私は神経修復を促す抗スルファチド抗体を発見し、本研究ではその作用機構と治療応用の可能性を明らかにします。神経疾患モデルでの評価や抗体解析技術を活かし、脂質オミクスや認知科学、リハビリ分野をはじめ、幅広い研究との連携を希望します。
口腔扁平上皮癌の腫瘍免疫におけるB細胞の関与と腫瘍抗原の同定に関する研究 歯学府 歯学専攻 口腔扁平上皮癌治療において、近年、PD-1抗体に代表されるように、免疫チェックポイント阻害薬などの腫瘍免疫を利用した治療法が臨床応用されている。免疫チェックポイント阻害薬は、主にT細胞を標的とした治療であり、これらのT細胞の活性化を誘導することで腫瘍の縮小を狙う。一方で、B細胞の腫瘍免疫における役割はほとんど分かっていない。 口腔癌患者の手術の際に切除した組織の一部を用いてsingle cell [...]
力学刺激下でのアネキシン局在変化による発癌メカニズムの解明 工学府 機械工学専攻 本研究では、細胞バイオメカニクスの視点から、癌の発生メカニズムを解明することを目的とし、癌組織内で発現が増大するタンパク質アネキシンに着目している。アネキシンは力学刺激に応答して細胞膜へ移動し、細胞核内での蓄積が染色体不安定性に関連することが知られている。本研究では、力学刺激下でのアネキシンの核内移動現象を実験的に明らかにするだけでなく、細胞変形とアネキシンの反応を同時計測し、定量的に評価すること [...]
全身に発現するヒト苦味受容体hT2R46の生体内アゴニストの探索 歯学府 歯学専攻 五基本味の一つである苦味は、ヒトで 25 種存在する苦味受容体 T2Rs によって受容され、毒物や有害物の忌避に利用される。近年、口腔以外の外因性物質の到達困難な組織における苦味受容体の発現が報告されており、苦味受容体の生理学的作用を誘発する生体内リガンドの存在が示唆される。他方、苦味受容体とその他の GPCR との低い配列相同性から、有効な立体構造の利用が困難であったが、2022 年に初めてヒト [...]
慢性インプラント周囲炎より惹起された薬剤性顎骨壊死発生機序の解明および予防策の確立 歯学府 歯学専攻 超高齢化により骨粗鬆症や骨転移が増え、骨吸収抑制薬使用者が増加している。インプラント周囲炎は4〜20%に発症し、薬剤使用下ではMRONJに関与する可能性があるが機序は未解明である。本研究では、ICRマウスにインプラント埋入後、結紮により慢性炎症を誘導し、ZoledronateとDexamethasone投与でMRONJを発症させ、骨吸収や壊死、血管・細胞変化、IL‑6・RANKL発現を解析する。得 [...]