大規模系列データ比較のアルゴリズムと計算限界 システム情報科学府 情報理工学専攻 近年,特に人工知能(AI)の発展は目覚ましく,様々な分野で人間の能力を凌駕する成果を挙げている.特に,ChatGPT に代表される対話型生成 AI は非常に注目を集めているが,ChatGPT は数値データに関する処理が不得意であり,簡単な乗算の計算ですら正確な返答を返せないという課題があることが,京都大学の湊真一教授によって指摘されている.ChatGPT はByte Pair Encoding; [...]
実環境における人の予測誤差を誘発するための対人ロボットシステムの構築手法の解明 工学府 機械工学専攻 対人スポーツにおけるフェイントは,相手の予測を逆手に取ることで成立する戦略であり,その際生じる予測錯誤は,動作する側の運動と観察者の認知との相互作用により引き起こされる.しかし,そのメカニズムに関する研究の多くは,実験の厳密性を優先するあまり,実際の競技環境とは異なる設定で行われており,運動と認知を同時に扱う枠組みになっていない.この課題に対して,実際の競技環境に近く,視覚提示の自由度が高いVRの [...]
低濃度・高拡散系プロトン伝導体開発に向けたパーコレーション形成機構の解明 工学府 材料工学専攻 固体酸化物形燃料電池(PCFC)の低温動作を実現するためには、プロトン導電体の導電率向上が不可欠である。その鍵となる現象がパーコレーションであり、ドーパントが連続的に配列することでプロトンが高速拡散する。しかし、パーコレーション形成のメカニズムや条件は未解明であり、低濃度ドーピングの設計指針が確立されていない。本研究では、計算材料科学的手法によりパーコレーション形成機構を原子スケールで解明し、低濃 [...]
超長寿命粒子で探る標準模型の拡張 理学府 物理学専攻 本研究は、欧州原子核研究機構(CERN)のLarge Hadron Collider(LHC)加速器におけるFASER検出器を用いて、重心系エネルギー13.6 TeVでの陽子–陽子衝突データを取得し、解析を行うことで重い中性レプトン(HNL:Heavy Neutral Lepton)の探索を行うものである。HNLは、素粒子物理学における標準模型(SM:Standard Model)では [...]
次元拡張光回路による高出力テラヘルツ波発生の研究 システム情報科学府 電気電子工学専攻 近年,モバイルデータトラフィックの急増に伴い,無線フロントホールでは伝送容量10Gbit/sが必須技術となっている.これに応える技術として,すでに30 GHz帯を利用した第5世代 (5G) 技術が世界的に普及しつつある。10年後にはさらに6G/Beyond 5G技術として100 Gbit/sを超える伝送容量が目標とされている.この実現のために期待されている技術が,100 GHz以上のいわゆるテラヘ [...]
ガーナ南西部から復元する古原生代の深海底堆積環境 理学府 地球惑星科学専攻 今から約22億年前に形成された地質体がガーナ南西部に分布する。この地質体は西アフリカに広く分布しBirimian帯と呼ばれる。私がBirimian帯で重要視するのは、約22億年前の海洋島弧火山列がプレートテクトニクスにより複数衝突して形成されたという点と、その過程で当時の火山島から海底までの地層が現在の陸上に表れている点である。さらにもう一つ重要な特徴は22億年前という時代背景であり、これは古原生 [...]
カマキリ餌持ち替え行動の三次元運動解析と応力解析による両前肢運動の制御機構の解明 システム生命科学府 システム生命科学専攻 両前肢を用いた運動は、多数の筋肉による協調的で複雑な活動を必要とする。この運動が可能な動物のうち、カマキリがみせる「関節の可動域が広い前肢を用いて餌を保持・操作する」という動作は、ヒトなどの霊長目がみせる両前肢運動の複雑さに匹敵するため、運動の制御機構も同様に洗練されている可能性が高い。本研究は「カマキリ捕食行動の三次元運動解析」および「カマキリ前肢の応力解析シミュレーション」を組み合わせることで [...]
アブラナ科作物を用いた硫黄栄養応答の比較解析 生物資源環境科学府 生命機能科学専攻 キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科作物は、含硫特化代謝物グルコシノレート(GSL)を蓄積する。Sは植物の必須多量元素であり、Sが不足した−S環境下では、植物の生育は抑制される。アブラナ科のモデル植物シロイヌナズナでは、−S下にてSの吸収や同化、GSL分解が促進され、一次代謝へのS分配が増す。この応答により、植物は−S環境での生存を維持する。 本研究では、このような−S応答機構がアブラナ科作物で [...]