ガス降着段階における原始惑星系円盤の磁場の進化 理学府 地球惑星科学専攻 星は分子雲コアと呼ばれるガスの塊が収縮することで形成される。収縮していくと中心に星のもとに相当する原始星とその周囲に原始惑星系円盤(以後、円盤)が形成される。この円盤は惑星形成の舞台である。原始惑星系円盤内の角運動量輸送に物理機構として磁場による機構が有力視されており、円盤内の磁場の分布は重要である。磁場を取り入れた1次元のガス降着段階の円盤進化モデルを考え、円盤形成時を初期条件とする円盤の長時間 [...]
液性免疫応答における小胞体恒常性の生理学的役割 医学系学府 医学専攻 液性免疫応答は生体防御のメカニズムとして重要である。液性免疫の主役を担うのはB細胞であり、B細胞の小胞体恒常性維持がB細胞分化と抗体産生に密接に関与する。小胞体はタンパク質の品質管理と細胞質内Ca2+濃度の調節が主な機能として知られており、これら2つの機能を制御することが小胞体恒常性に重要である。そこで、この2つの機能調節に重要な分子に着目し、B細胞における機能解析を行う。これにより、液性免疫にお [...]
黄麹菌における微小管の生合成に関する分子機構解析 生物資源環境科学府 生命機能科学専攻 黄麹菌Aspergillus oryzaeは発酵醸造産業に利用される有用な糸状菌です。アミラーゼなどの有用酵素や二次代謝産物など様々な有用物質を大量に分泌生産することから、その分泌生産に関わる分子メカニズムを詳細に解明することが求められています。そこで、有用物質の分泌や細胞の成長に必要な微小管に着目し、微小管を形成するタンパク質であるチューブリンが細胞内でいつどこで転写・翻訳されるのかを明らかにす [...]
密度汎関数理論における三体核力起因の反対称スピン軌道力の効果 理学府 物理学専攻 陽子と中性子の多体系である原子核は、原子の中の電子と同じように殻構造を持っている。実際、魔法数とよばれる特別な陽子数、中性子数をもった原子核は、核子同士の結合エネルギーが大きく安定であり、元素の周期表における希ガスに相当する振る舞いをみせる。 この魔法数を合理的に説明するためには、スピン軌道力が重要な役割を果たしている。 核物理で広く採用されている密度汎関数理論は、原子核を構成する核子同士の相互作 [...]
温泉由来新規CRISPR-Cas9の機構構造解析と改変による技術開発への応用 生物資源環境科学府 生命機能科学専攻 CRISPR-Cas9 は、原核生物が持つ獲得免疫機構の一種であり、ゲノム編集ツールとして広く利用されている。RNA誘導型ヌクレアーゼであるCas9は、CRISPR配列から転写されたcrRNAと非翻訳RNAのtracrRNAからなるガイドRNAによって標的DNAにガイドされ、切断する。このようにCRISPR-Cas9を用いたゲノム編集では、ガイドRNAを設計するだけで目的の配列を標的化でき、その簡 [...]
リチウムシリコン合金電極の構造的なデザインによる硫化物系全固体電池の劣化抑制 統合新領域学府 オートモーティブサイエンス専攻 カーボンニュートラルを解決するための重要な鍵である全固体電池の実用化を早めるためには、セルのエネルギー密度の向上と高電圧条件での劣化の抑制が不可欠である。本研究では、リチウムシリコンのみで構成された単一アノード層の代わりに、負極活物質と固体電解質で構成された2つの複合アノード層(Li3PS4 + Li13Si4, Li3N + LiF + Li13Si4)を構成することで、全固体電池セルにおける硫 [...]
マイトファジーにおける基質認識機構及びレセプター標的化機構の解明 医学系学府 医学専攻 オートファジーは自己成分を分解し、リサイクルする経路であり、細胞の恒常性維持機構として重要な役割を果たしている。その中でも、異常または余剰なミトコンドリアを選択的に分解するオートファジー(マイトファジー)は、酸化ストレス応答やエネルギー代謝制御において重要であり、神経変性疾患やがんなど様々な疾患との関連性が指摘されている。 マイトファジー誘導時には、ミトコンドリア外膜タンパク質BNIP3/NIXが [...]
多重ゼータ値のモジュラー現象 数理学府 数理学専攻 Gangl-Kaneko-Zagier(2006)は二重ゼータ値(多重ゼータ値で深さが2のもの)が満たすシャッフル関係式に着目することで形式的二重ゼータ値という対象を導入し、Eichler-Shimura同型を応用することで、形式的多重ゼータ値の空間にモジュラー形式の空間が埋め込めることを示した。さらに、これにより、レベル1の二重ゼータ値が成すベクトル空間の次元の(最良と予想される)上界を得た。こ [...]