立ち枯れヨシを利用する主要大型底生生物個体群の季節的変動 生物資源環境科学府 資源生物科学専攻 塩性湿地の保全・再生は世界的な課題であり,達成に向けた生態的機能の解明が不可欠である.わが国では植物ヨシPhragmites australisを主体とした塩性湿地(ヨシ原)がよく見られる.ヨシは竹に類似した形態をもち,冬に地上部が枯れる.また,立ち枯れた茎は長期間残存する.そのため,ヨシ原内では,節間で折れた立ち枯れヨシの茎(折損茎)が散見される.本研究では折損茎に注目し,その内部環境が大型底生 [...]
セルロースナノファイバーの 界面アーキテクトニクスによる新奇表面機能の創出 生物資源環境科学府 環境農学専攻 生物は微小な構成単位を集合させることによって材料を成し、集合構造に起因した優れた機能を創発させる。このプロセスは常温常圧、水系といった極めて温和な環境下で達成されることから、持続可能な社会の実現に向けて大きな注目を集めている。一方で、繊維状の物質は互いに絡まりあうため、複雑な構造を構築することが困難であった。本研究では、集合構造化の場として流体界面に着目し、ナノ繊維の緻密な構造化を通し、集合構造か [...]
時系列効率性分析による漁業経営体の退出評価法の開発と実証分析 経済学府 経済システム専攻 日本の漁業は1980年代をピークに生産量が減少しており、その背景には経営体数の減少、高齢化、後継者不足がある。また、漁業は資源制約が強く、持続可能な漁獲量には上限があるため、生産量拡大による産業維持は困難である。したがって、限られた投入要素(燃料、労働、設備)を有効活用し、経営を安定させることが重要な課題である。そこで本研究は、農林水産省の漁業経営統計調査データを用い、各海域における経営体の退出を [...]
南大洋深海底における過去14万年間の炭酸カルシウム埋没・溶解史の復元 理学府 地球惑星科学専攻 氷期の約100 ppmに及ぶ大気CO2濃度低下の要因は,古気候学研究の重要な未解決問題である。南極周辺の“南大洋”深層における炭酸カルシウム(CaCO3)溶解に伴う海洋アルカリ度の増加は,その主要因の有力候補である。本研究では南大洋チリ沖で採取された堆積物中のCaCO3溶解強度を調査し,南大洋の各海域のCaCO3含量(質量%)文献値から南大洋CaCO3フラックスデータセットを構築し数値モデル研究と [...]
ケロジェン中の分子化石抽出によるT-OAEの全球的な古環境復元 理学府 地球惑星科学専攻 分子化石は古環境復元の有力な手がかりだが、熱を受けた岩石からの抽出は困難であり、地球史上重要な堆積物の多くが未分析である。これまで、ケロジェンから分子化石を抽出する手法により、従来有機分析が困難であった山口県のトアルシアン海洋無酸素事変(T-OAE)堆積物からの一次生産性の復元に成功し、加えて土壌流出、陸上源有機物、燃焼イベントの指標となる分子化石の抽出手法を確立した。本研究ではこの手法により、 [...]
アクティブ可食コーティングによる青果物の鮮度保持:天然抗菌成分の抗菌持続性制御 生物資源環境科学府 環境農学専攻 本研究では,骨格素材としてゼラチンやデンプン等のポリマーを利用し,これにガス・水分透過性や微生物増殖を制御する油脂や精油成分等を組み合わせて添加することで機能性を付加し,青果物の貯蔵・流通中の品質保持を可能にする持続的な抗菌効果を持つ可食コーティング新素材の開発を行う.各種素材が構成する複雑な微細空間マトリックスの構造と,それが抗菌成分の挙動や青果物の貯蔵性にどう影響しているかを知ることが本研究の [...]
破片状マイクロプラスチックが日本メダカ(Oryzias latipes)の脂質代謝・行動特性・腸内マイクロバイオームのバランスに及ぼす影響 生物資源環境科学府 資源生物科学専攻 プラスチック汚染により、断片状マイクロプラスチック(FMPs)が水環境に蓄積し、生態系への影響が懸念されています。本研究では日本産メダカに20µm FMPsを曝露し、蓄積、行動、脂質代謝、遺伝子発現、腸内細菌への影響を解析し、毒性メカニズムを明らかにします。これはFMPsの行動・代謝毒性を包括的に評価する初の研究となり、水生脊椎動物へのリスク評価に資する知見を提供します。
日本海における海面水温トレンドの空間分布はなぜできるのか? 総合理工学府 総合理工学専攻 地球温暖化による気温上昇とともに、海面水温も上昇している。海面水温の上昇は近年の豪雨に強く影響を与えることが報告されており、日本沿岸における海面水温が長期的にどのように変化していくのか社会的な面から解明が求められている。日本周辺の海域の一つである日本海の海面水温は他の海域に比べ大きいだけでなく、さらに海面水温トレンドは一様な上昇ではなく数100kmスケールの極大や極小を示している。この非一様な空間 [...]