種の形而上学的理論にもとづく帰納推論の認識的価値の解明 人文科学府 人文基礎専攻 通常,演繹的でないタイプの推論に該当するものを総称して帰納推論と呼ぶが,この帰納推論は,その定義からして,一般に,前提と結論との間にはせいぜい蓋然的な関係しか成立しないという性格をもつ.この意味で不確実である帰納論証が,それでもなお,知識の獲得において有益であるとすれば,それはどのような場合においてなのか.本研究は,その条件を,推論の前提や結論をかたちづくる事物の分類––––すなわち「種(しゅki [...]
LLMを利用した学び合いのためのAI Agent 芸術工学府 芸術工学専攻 近年,大規模言語モデル(LLM)に基づく生成AIの性能が飛躍的に向上し,様々な分野で利活用されている.教育は生成AIの利活用が期待される分野の一つである.教育において,人間が果たしてきた役割を生成AIで代替するのは代表的な活用法であり,生成AIを用いた対話型Agentは教師の役割として用いられることが主である.しかし,生成AIは手軽に尤もらしい解答を得られるため,学習者が生成AIに思考を依存してし [...]
初期宇宙における星形成過程の解明 理学府 地球惑星科学専攻 恒星(星)では元素合成が行われ、より重い元素が誕生する。初期宇宙において、星は宇宙で最初にリチウム以上の重元素(天文学では金属という)が合成される場であったため、宇宙の根幹的な理解において、初期宇宙の星形成過程を調査することは必要不可欠である。しかし、初期宇宙における星は、直接観測することは困難なため、宇宙論や現在の星形成領域の観測から制限される理論的条件に基づいて、数値シミュレーションを用いて研 [...]
電波観測による原始星周囲の階層構造の解明 理学府 地球惑星科学専攻 星・惑星系の形成過程を解明することは、天文分野における重要な課題である。星は、分子雲の中でも比較的密度が高い領域において、分子ガスとダストの重力収縮によって形成される。主降着期における円盤形成およびエンベロープ (原始星周囲の高密度なガスの塊)などの円盤周辺構造を理解することは、原始星の成長過程を明らかにする上で必要不可欠であり、理論・観測の両分野において重要な研究対象となっている。特に近年、世界 [...]
経頭蓋電気刺激による 語処理の神経基盤の解明 人文科学府 言語・文学専攻 本研究は、語の構造や意味理解に伴う脳活動と語処理の神経基盤の因果関係の解明を目的とする。神経言語学の研究では、脳活動の解析から言語処理と脳活動の関係 (相関関係) の検証しかされてこず、これらの因果関係を証明できない問題があった。本研究では、脳活動を変調させる経頭蓋電気刺激を導入し、言語処理への影響を評価する。これにより、既存の研究ではアプローチできない脳活動と言語処理の因果関係の検証を試みる。
東アジアにおける安全教育の政治とシティズンシップ教育 人間環境学府 教育システム専攻 本研究は、中国、香港、日本、韓国、台湾を含む東アジア地域における安全教育を、シチズンシップ観点から批判的に調査することを目的とする。そのために教育分野において高まる安全への懸念を探求し、その基底にある社会的背景を検討する。また、市民がどのように安全の政治に参加し、社会的理解を形成しているかを、特に公的な哀悼に焦点を当てて調査する。本研究はこれを通じて東アジアの安全論を振り返る。
英傑:幕末の英雄作り 人文科学府 人文基礎専攻 私の研究は、坂本龍馬を模範として(時間と資源が許せば他の人物にも拡大する可能性がある)、徳川末期・幕末期の「英雄」の歴史学および大衆文化における受容と解釈を検証するものである。これらの人物は、その死後、現代に至るまで絶大な影響力を行使してきた。彼らは、日本の歴史や「日本人」であることの意味について政治的・学術的に議論する際に引き合いに出され、また、同じテーマに関する大衆の考えを伝える数多くの小説、 [...]
相同組換えの鎖交換とDNA合成をつなぐ制御メカニズムの解明 システム生命科学府 システム生命科学専攻 相同組換えは、相同な配列を利用して DNA 二重鎖切断損傷を修復する反応である。この反応は、鎖交換反応と引き続く DNA 合成反応が修復の鍵を握る。DNA 合成反応を促進する因子の 1 つとして、Mcm8-9と呼ばれる DNA 巻き戻し酵素 (ヘリカーゼ) が挙げられる。しかし、この因子が鎖交換後に損傷部位にどのように呼び込まれ、活性が制御されるのかなど、相同組換えにおける鎖交換とDNA合成をつな [...]