戦後広島における「原爆孤児」救済事業 ――精神養子運動(moral adoptions project, 1949-1959)を中心に 人間環境学府 教育システム専攻 本研究は、戦後広島において、米国が「原爆孤児」を救済しようとした精神養子運動(moral adoptions project, 1949-1959)を中心に、最初の対象となった孤児院(広島戦災児成所)の活動、運動の実態、運動が日本人の手によって引き継がれていく過程といった、「孤児」救済事業に米国が関与していく様相を明らかにする。同時に、こうした諸活動が女性にかかわる課題(原爆乙女の渡米治療)ととも [...]
青年の自己に関する不安感を低減し安心感を獲得することを目的としたイメージ療法の活用 人間環境学府 人間共生システム専攻 高校生や大学生がおかれる青年期は「外的事物や他者と区別された自分自身であるという意識,また自己の本性や能力,及びその限界についての認識」である自己意識が高まる時期とされる(Montemayor & Eisen,1977)。そのため,青年期は自己に関する不安が生じやすいことが考えられ,引きこもりや自死といった現代社会における問題につながっている。そこで,本研究ではイメージ療法に着目する。イメ [...]
福岡県柳川市方言の総合的記述:文法書・辞書・談話資料の作成 人文科学府 言語・文学専攻 日本各地の方言は消滅の危機に瀕しており,早急な記録保存が望まれる。消滅危機言語の体系の総合的な記録には,文法を記録する文法書,語彙を記録する辞書,言語の運用を記録する談話資料という「3点セット」が必要になる。申請者は,消滅危機方言の一つである福岡県柳川市方言の3点セットを作成し,記録する。現時点で3点セットの形で記録された方言は1つもなく,本研究は消滅危機対応型の方言研究の先駆けと位置付けられる。
東アジア地域の下部~中部ジュラ系アンモノイド相変遷の解明 理学府 地球惑星科学専攻 3億年におよぶアンモノイド類の繁栄史の中でも,中生代ジュラ紀前期~中期はその構成種の大きな変動と爆発的な多様化により特徴づけられる “転換期” である.この転換期の連続層序は日本にも分布するが,産出標本の多くが潰れた印象化石であり,分類に必要な形態情報の抽出が困難なことがこれまで大きな障壁となってきた.本研究ではこの課題を解決すべく,印象化石に対する新たなイメージング手法を導入するとともに,海外産 [...]
種の形而上学的理論にもとづく帰納推論の認識的価値の解明 人文科学府 人文基礎専攻 通常,演繹的でないタイプの推論に該当するものを総称して帰納推論と呼ぶが,この帰納推論は,その定義からして,一般に,前提と結論との間にはせいぜい蓋然的な関係しか成立しないという性格をもつ.この意味で不確実である帰納論証が,それでもなお,知識の獲得において有益であるとすれば,それはどのような場合においてなのか.本研究は,その条件を,推論の前提や結論をかたちづくる事物の分類––––すなわち「種(しゅki [...]
LLMを利用した学び合いのためのAI Agent 芸術工学府 芸術工学専攻 近年,大規模言語モデル(LLM)に基づく生成AIの性能が飛躍的に向上し,様々な分野で利活用されている.教育は生成AIの利活用が期待される分野の一つである.教育において,人間が果たしてきた役割を生成AIで代替するのは代表的な活用法であり,生成AIを用いた対話型Agentは教師の役割として用いられることが主である.しかし,生成AIは手軽に尤もらしい解答を得られるため,学習者が生成AIに思考を依存してし [...]
初期宇宙における星形成過程の解明 理学府 地球惑星科学専攻 恒星(星)では元素合成が行われ、より重い元素が誕生する。初期宇宙において、星は宇宙で最初にリチウム以上の重元素(天文学では金属という)が合成される場であったため、宇宙の根幹的な理解において、初期宇宙の星形成過程を調査することは必要不可欠である。しかし、初期宇宙における星は、直接観測することは困難なため、宇宙論や現在の星形成領域の観測から制限される理論的条件に基づいて、数値シミュレーションを用いて研 [...]
電波観測による原始星周囲の階層構造の解明 理学府 地球惑星科学専攻 星・惑星系の形成過程を解明することは、天文分野における重要な課題である。星は、分子雲の中でも比較的密度が高い領域において、分子ガスとダストの重力収縮によって形成される。主降着期における円盤形成およびエンベロープ (原始星周囲の高密度なガスの塊)などの円盤周辺構造を理解することは、原始星の成長過程を明らかにする上で必要不可欠であり、理論・観測の両分野において重要な研究対象となっている。特に近年、世界 [...]