ガーナ南西部から復元する古原生代の深海底堆積環境 理学府 地球惑星科学専攻 今から約22億年前に形成された地質体がガーナ南西部に分布する。この地質体は西アフリカに広く分布しBirimian帯と呼ばれる。私がBirimian帯で重要視するのは、約22億年前の海洋島弧火山列がプレートテクトニクスにより複数衝突して形成されたという点と、その過程で当時の火山島から海底までの地層が現在の陸上に表れている点である。さらにもう一つ重要な特徴は22億年前という時代背景であり、これは古原生 [...]
戦後日中関係の冷戦史的再検討 地球社会統合科学府 地球社会統合科学専攻 本研究は、日中の非政府アクターがトランスナショナルな活動を通じて冷戦的対立構造を乗り越え、日中交流ネットワークを構築した過程を明らかにするものである。具体的には、①戦後日中関係構築における非政府アクターの位置づけ、②非政府アクターによる国際的活動を通じた日中交流ネットワークの形成過程、③アジア冷戦の緩和に向けた超陣営的なネットワークの役割という三つの課題を取り上げ、冷戦研究の視点から日中関係を多角 [...]
ソーシャルメディアによるモラル判断の影響要因の体系的検討 人間環境学府 行動システム専攻 ソーシャルメディアが世界で普及するにつれて、公衆のモラル判断に対する影響が顕著になる。SNSで真偽不明の情報が素早く広がることは、感情や認知判断に相互影響を与え、社会に予測不能な効果をもたらす。本研究は社交媒体が個人のモラル判断にどう影響するかを多角的に探求する。具体的には、感情の影響、情報提示による認知の差異、コミュニティ文化、AIアルゴリズムの推薦などからその影響を分析する。同時に認知理論のメ [...]
再考される逆説——リベラリズムからの保護主義の正当化 地球社会統合科学府 地球社会統合科学専攻 本研究は、保護主義を自由主義に反するものとして否定するのではなく、むしろ自由主義の価値に根ざした規範的な対応として再評価することを目的とする。スミス、ポパー、キムリッカ、ラズらの思想に基づき、「自由主義的保護主義」という理論枠組を構築し、貿易介入が分配的正義、生産的自由、文化的自律を守る手段となり得ることを示す。グローバル化後の時代において、保護政策は自由の否定ではなく、むしろ自由民主主義の制度的 [...]
ジョン・エヴァレット・ミレイの対作品:同時代の受容に関する研究 人文科学府 人文基礎専攻 本研究では、19世紀の英国美術を代表する画家ジョン・エヴァレット・ミレイ(Sir John Everett Millais, 1829–96)の絵画について、二枚の絵で構成される対作品という形式に着目し、同時代の展示と批評から対作品の受容を検討している。ミレイが画業を通して制作した対作品は、画家自身の構想力による二つの画面によって観者の鑑賞体験をより豊かにしたことに加え、コレクターの購買意欲を刺激 [...]
ADH特性を有する当事者の感性的体験の解明 ~博物館体験に着目して~ 統合新領域学府 ユーザー感性学専攻 背景 近年、博物館は「誰でも楽しめる」ことを重視しているが、発達障害、特にADHD(注意欠如・多動症、以下ADH特性)への配慮は国内ではほとんど進んでいない。 目的 ADH 特性を持つ人のより豊かな博物館体験と支援のため、当事者の感性的体験の実態を把握する。 内容 聞き取り調査・同行調査を行い、展示、空間、音や光などの博物館の要素がADH 特性を持つ来館者の関心や集中、疲労感に与えている影響を実行 [...]
漢字に対する美的認知メカニズムの解明 人間環境学府 行動システム専攻 美について研究では,知覚過程と芸術史の議論の二つに大きく分類され,単独の学問領域では捉えきれない。知覚過程に着目する実験美学は研究目的に合わせて調整可能な図形を用いる場合が多い一方,芸術の精神的価値を重視する研究は,芸術品そのものを対象として研究を行う。しかし,図形は芸術品より扱いやすい利点をもつ一方,芸術品にしか伝えられない意味を欠いており,研究結論の適用範囲、また美的認知過程に全面的に当てはま [...]
「周辺」から読む列島弥生社会展開プロセスとその意義 地球社会統合科学府 地球社会統合科学専攻 多様なアイデンティティの基盤構築、「地球市民」としてのアイデンティティ形成、又は既存権力関係の相対化を目指し、「社会進化の一般性・特殊性」に着目することで上記への貢献を目指す。具体的には多様な意味での周辺性を有する「東日本弥生社会」という時空間構造を土器・集落・その他インフラ動態の復元とそれら相互の相関関係のパターン化作業によって復元するとともに、列島内諸地域間の比較、或いは鉄器時代ブリテン島との [...]