教育レコメンダーシステムの説明可能性を向上させるための手法 システム情報科学府 情報理工学専攻 研究背景と目的/Research Background and Purpose 現在の教育レコメンダーシステムは、透明性が十分ではなく、ユーザーの信頼とエンゲージメントの低下を招いています。これらのシステムは精度において進展を遂げた一方で、特定のコースが推奨される理由をユーザーが理解するための「説明可能性」を大きく無視しています。また、十分かつ効果的な説明を提供することができず、ユーザーの信頼を高 [...]
経済活動の評価に向けた衛星画像解析:経済学におけるディープラーニングの応用 経済学府 経済工学専攻 正確かつタイムリーな経済データは、効果的な政策立案に不可欠です。しかし、発展途上地域では、従来のデータ収集方法は情報の不足や遅延、空間的カバレッジの制限といった課題に直面しています。本研究は、ディープラーニングと衛星画像を融合させ、経済活動を反映する高頻度かつ空間的に詳細な指標を生成する革新的かつ学際的なアプローチを提案します。 具体的には、建物の高さと密度、農地の利用状況、車両の移動などの情報を [...]
20世紀欧米における東欧系ユダヤ移民とアナーキスト:移民史から越境者の交流史へ 人文科学府 歴史空間論専攻 近現代ヨーロッパ・アメリカ史を専門としています。特に移民やアナーキズム運動、社会運動について、国民国家という枠組みに捉われずに研究することに取り組んでいます。具体的には、19世紀末から20世紀前半にかけて活躍したドイツ系アナーキストである、ルドルフ・ロッカー(Rudolf Rocker, 1873-1958)を分析軸として、彼と東欧系ユダヤ移民や、地域社会の労働者との交流について考察しています。こ [...]
ガーナ南西部から復元する古原生代の深海底堆積環境 理学府 地球惑星科学専攻 今から約22億年前に形成された地質体がガーナ南西部に分布する。この地質体は西アフリカに広く分布しBirimian帯と呼ばれる。私がBirimian帯で重要視するのは、約22億年前の海洋島弧火山列がプレートテクトニクスにより複数衝突して形成されたという点と、その過程で当時の火山島から海底までの地層が現在の陸上に表れている点である。さらにもう一つ重要な特徴は22億年前という時代背景であり、これは古原生 [...]
市場から地域ガバナンスへ:ペルー農村部における女性の経済的役割と意思決定への参加 地球社会統合科学府 地球社会統合科学専攻 ペルーでは、ジェンダー平等を促進する国家政策があるにもかかわらず、地域社会レベルでの進展は依然として限られています。調査によると、農村地域の女性は今なお公共生活や意思決定の場への参加に大きな障壁を抱えており、男性に対して従属的な地位に置かれることが多いです。普通選挙、農地改革、先住民との事前協議といった重要な制度改革は、農村部での政治参加の拡大につながりましたが、これらの変化が女性に平等に及んだと [...]
戦後日中関係の冷戦史的再検討 地球社会統合科学府 地球社会統合科学専攻 本研究は、日中の非政府アクターがトランスナショナルな活動を通じて冷戦的対立構造を乗り越え、日中交流ネットワークを構築した過程を明らかにするものである。具体的には、①戦後日中関係構築における非政府アクターの位置づけ、②非政府アクターによる国際的活動を通じた日中交流ネットワークの形成過程、③アジア冷戦の緩和に向けた超陣営的なネットワークの役割という三つの課題を取り上げ、冷戦研究の視点から日中関係を多角 [...]
ソーシャルメディアによるモラル判断の影響要因の体系的検討 人間環境学府 行動システム専攻 ソーシャルメディアが世界で普及するにつれて、公衆のモラル判断に対する影響が顕著になる。SNSで真偽不明の情報が素早く広がることは、感情や認知判断に相互影響を与え、社会に予測不能な効果をもたらす。本研究は社交媒体が個人のモラル判断にどう影響するかを多角的に探求する。具体的には、感情の影響、情報提示による認知の差異、コミュニティ文化、AIアルゴリズムの推薦などからその影響を分析する。同時に認知理論のメ [...]
再考される逆説——リベラリズムからの保護主義の正当化 地球社会統合科学府 地球社会統合科学専攻 本研究は、保護主義を自由主義に反するものとして否定するのではなく、むしろ自由主義の価値に根ざした規範的な対応として再評価することを目的とする。スミス、ポパー、キムリッカ、ラズらの思想に基づき、「自由主義的保護主義」という理論枠組を構築し、貿易介入が分配的正義、生産的自由、文化的自律を守る手段となり得ることを示す。グローバル化後の時代において、保護政策は自由の否定ではなく、むしろ自由民主主義の制度的 [...]