ケロジェン中の分子化石抽出によるT-OAEの全球的な古環境復元 理学府 地球惑星科学専攻 分子化石は古環境復元の有力な手がかりだが、熱を受けた岩石からの抽出は困難であり、地球史上重要な堆積物の多くが未分析である。これまで、ケロジェンから分子化石を抽出する手法により、従来有機分析が困難であった山口県のトアルシアン海洋無酸素事変(T-OAE)堆積物からの一次生産性の復元に成功し、加えて土壌流出、陸上源有機物、燃焼イベントの指標となる分子化石の抽出手法を確立した。本研究ではこの手法により、 [...]
コンクリートのASR膨張とその予測法に関する研究 工学府 土木工学専攻 コンクリートの劣化の一つであるアルカリシリカ反応(ASR)は,コンクリートの材料間の反応に由来し,致命的な膨張ひび割れを引き起こす。コンクリートごとに使用されるセメント・石・砂やその配調合が異なるため,ASRには画一的な対策が通用しない。そこで,各要因の影響度を把握するための膨張実験と,劣化メカニズム解明に向けた微視的観察を行い,数値的な予測モデルを提案することで,新たなインフラ設計・維持管理手法 [...]
シカによる下層植生の衰退が土壌生態系に与える影響 -積雪の有無に着目して- 生物資源環境科学府 環境農学専攻 近年、急増するシカの過度な採食によりササ類などの下層植生の消失が深刻化している。下層植生の消失は、土壌生物群集の変化を介して土壌生態系機能を劣化させると考えられる。しかし、積雪の有無など土壌に影響を与えうる要因を考慮して検証した事例はなく、土壌生物群集と土壌生態系機能を同時に評価した事例もないため、具体的な保全対策が講じられていない。そこで本研究では、シカによる下層植生の消失が土壌生物群集の構造お [...]
シロヒメシンクイおよびその近縁種の分類とホストレース形成の実態解明 生物資源環境科学府 資源生物科学専攻 リンゴの果実を加害するシロヒメシンクイSpilonota samseong (チョウ目ハマキガ科)には、リンゴを加害しない近似種2種(S. albicana、 S. prognathana)が存在する。これらは、斑紋や交尾器形態が互いに酷似しており、ホストレースの関係にある可能性を孕んでいる。また、S. albicanaはバラ科とツツジ科の2科の植物から記録があり、ホストレースや隠蔽種が含まれる可 [...]
ため池揚水発電の治水・利水・発電効果を最大化させる貯水管理の提案 生物資源環境科学府 環境農学専攻 全国約15万か所に存在する農業用ため池は管理者である農家の高齢化による維持管理の課題と,豪雨災害の増加による治水対策の必要性に直面している。本研究では利水強化をしながら治水対策を実現し,今後の維持管理を継続していく施策として,ため池に揚水発電を組み込むシステムを考案した.本システムを導入した場合に,利水・治水・発電を最大化するため池貯水管理を提案する.
リチウムシリコン合金電極の構造的なデザインによる硫化物系全固体電池の劣化抑制 統合新領域学府 オートモーティブサイエンス専攻 カーボンニュートラルを解決するための重要な鍵である全固体電池の実用化を早めるためには、セルのエネルギー密度の向上と高電圧条件での劣化の抑制が不可欠である。本研究では、リチウムシリコンのみで構成された単一アノード層の代わりに、負極活物質と固体電解質で構成された2つの複合アノード層(Li3PS4 + Li13Si4, Li3N + LiF + Li13Si4)を構成することで、全固体電池セルにおける硫 [...]
生物模倣工学の建築展開構造物への適用可能性に関する研究 人間環境学府 空間システム専攻 私は、建築分野において平坦な状態から展開を可能とする構造物(以下、展開構造物とする)の研究を行ってきた。展開構造物には、平坦な状態で事前に組み立てることで現場までの運搬性能の向上や、立ち上げ施工時の施工性の向上などのメリットがある。世界全体でSDGsが重視される中で、これらのメリットから被災地に対する仮設テントの支援や、エネルギーコストの低減といった問題解決の糸口になる研究と位置づけられる。し [...]
ハイドロゲルビーズと無細胞タンパク質合成を組み合わせた酵素分子進化系の構築 工学府 応用化学専攻 酵素は温和な条件下で反応を触媒するタンパク質である。なかでも、微生物由来トランスグルタミナーゼ (MTG) はグルタミンとリジンの架橋反応を触媒する特性から、食品・バイオテクノロジー分野にて研究が進む酵素である。そこで本研究では、産業応用の進むMTGを高機能化するための新規プラットフォームの構築を目標とした。