分子生態学的アプローチから迫るブナ科樹木の長期的受精遅延メカニズムの解明 システム生命科学府 システム生命科学専攻 受粉後に受精が数日以上遅延する繁殖戦略である「受精遅延」は陸上生物において繰り返し獲得されてきた。ブナ科樹木では、「1年成」種が受粉から数週間以内に受精を完了する一方、「2年成」種では1年以上もの長期間受精が遅延する。先行研究では、雌花が休眠状態で越冬し翌春に受精を完了するとする「雌花休眠仮説」が提唱されているが、その分子メカニズムはほぼ未解明である。本研究では、ブナ科樹木を材料にこのメカニズムの [...]
ミツバチ利用の持続要因の多様性と共通性―ラオスを事例として― 地球社会統合科学府 地球社会統合科学専攻 本研究は、ミツバチの種や周囲の環境、手法を比較し、ミツバチ利用における持続要因の共通性と多様性の解明を試みる。本研究のフィールドであるラオスは3種のミツバチ(①トウヨウミツバチ②オオミツバチ③コミツバチ)が生息しており、①は巣箱内で粗放的に飼養し、蜜を採取する利用形態であり②,③は直接的巣から直接蜜を採取する利用形態である。本研究では、異なる種・手法が併存するラオスにて持続の様態を把握する。
ナノゼロ原子価鉄と酸化チタンの複合体(TiO2@nZVI)による水溶液からのセシウムの除去 総合理工学府 総合理工学専攻 福島第一原発事故により放射性物質が海や地下水などに流出しました。セシウム-137は半減期が約30.2年と長く、自然環境や人体に深刻な損害を与える放射性物質の一つです。ナノゼロ原子価鉄は重金属や放射性物質などの除去に効果があるナノ材料ですが、劣化が速いなどの欠点があります。本研究では安価で化学的に安定な酸化チタンをnZVIにコーティングした複合体TiO2@nZVIを合成 し、セシウムの水溶液中からの [...]
気体透過特性に対する分離超薄膜の表面効果と CO2選択性向上に向けた表面分子構造制御に関する研究 工学府 応用化学専攻 膜分離法は低コストCO2分離法として、地球温暖化抑制への貢献が期待されている。実用化に向け、CO2透過量, 選択性を両立した分離膜を設計する上で、高いガス透過性を示すポリジメチルシロキサン(PDMS)薄膜のCO2選択性向上は、有効手段の1つだろう。本研究ではこれに向け、CO2親和性分子の膜表面への直接修飾法を開発する。表面酸化処理を必要とせず、スピンコート、加熱からなる簡便性、かつビニル基を有する [...]
生物生産の限界を超えたCFPSの実現 理学府 物理学専攻 私の最終目標は、自然由来および人工設計タンパク質を、多様な有機物を分解する触媒・新素材・薬剤として人工的に大量生産するための基礎理論を確立することである。従来の生産法には、生物機能の制約や反応溶液の希薄さによる効率低下という課題がある。そこで、細胞質が高濃度タンパク質環境でも流動性を保つ仕組みを解明し、工業的生産へ応用する。
海洋における昆虫の“海流分散による分布拡大”に対する新たなアプローチ 〜昆虫の海水耐性が遺伝的交流に与える影響と”浮遊分散”の可能性〜 地球社会統合科学府 地球社会統合科学専攻 海流分散は、生物が海流に乗り漂着先で繁殖し生息地が広がることを指し、島嶼地域では他の分散方法に比べ、その頻度は高いと考えられ、生物相の成立考えるうえで重要な要素となる。しかし、既存の昆虫の海流分散に関する研究は、分子集団遺伝学的解析によるものばかりで他指標を用いて海流分散を示唆した研究は少ない。したがって、本研究では、海水耐性という新たな指標から昆虫の分布形成に対する海流の影響を評価する。
農林業統計を活用した戦後造林地の植生履歴の解明と再造林適地の検討 生物資源環境科学府 環境農学専攻 本研究は、GIS(地理情報システム)を用いて、1960年・1970年世界農林業センサスより、戦後に全国で造林された全国における人工林の植生履歴を旧市町村単位で復元することを試みた。本研究の成果は、人工林伐採跡の土地利用を決定するにあたって、有用な指標となり得る。
粘土鉱物の元素組成に基づく化学構造解析と起源の識別 生物資源環境科学府 環境農学専攻 本研究は,アジア大陸起源の風成塵に由来する白雲母が,日本の土壌中でどのように存在し,風化しているのかを明らかにすることを目的とする.対馬,福岡,沖縄の土壌断面試料から粘土画分を分離し,樹脂包埋・研磨後,EPMAで微小領域の元素組成を定量する.得られた元素組成から個々の鉱物粒子の化学構造を推定し,XRDでは把握が難しい同形置換や層間イオンを評価することで,土壌形成過程の理解を深める.