地方圏の金融システムの変化が地域の社会経済構造に及ぼす影響に関する研究 地球社会統合科学府 地球社会統合科学専攻 近年,金融のグローバル化が急速に進展する中で,地域における資金供給構造の変容が学術的・社会的に重要な課題として位置づけられている. 本研究では,日本の都市別・地域別の投資傾向を明らかにし,資金供給構造の変容と地域金融機関の役割を再評価することを目的とする.特に,Jリートや海外機関投資家による不動産投資の拡大に注目し,地域資本とグローバル資本が交錯する資金循環構造を多層的に解明することを目指す.
世界多地域産業連関表を用いたデカップリング分析手法の開発とその実証分析 経済学府 経済システム専攻 気候変動に対処するためには、政府が経済成長と温室効果ガス(GHG)排出の関係を切り離す「デカップリング」の過程を明らかにし、効果的な経済構造の低炭素化政策を策定することが重要である。経済学者は、排出係数や生産技術、消費量、消費嗜好の変化など、経済成長と並行してGHG排出に影響を与える要因の特定を試みてきた。先行研究では、構造分解分析や指数分解分析が用いられているが、多国間・長期時系列の要因比較や、 [...]
歯特異的転写因子AmeloDのエナメル芽細胞分化制御機構の解明 歯学府 歯学専攻 近年小児歯科領域においてエナメル質形成不全の罹患率が上昇していることが大きな問題となっている。 エナメル質形成は未分化な内エナメル上皮が分化してエナメル芽細胞となり、アメロゲニンやエナメリンなどの構成タンパクを分泌する過程によって進行し、その分化過程は複数の転写因子によって制御される。しかし、既知の因子だけでは全容を解明できない。 そこで、近年同定された遺伝子であるAmeloDによるエナメル芽細 [...]
表皮幹細胞の不均一性理解から紐解く新たな皮膚炎症応答メカニズム 医学系学府 医学専攻 組織幹細胞の不均一性は、臓器の正常な機能を発揮する上で重要な役割を担っているが、加齢や疾患によって破綻することも知られる。例えば、加齢による造血幹細胞不均一性の崩壊は免疫システムの機能不全に関連するが(Mann et al., Cell Rep. 2018)、それを抑制することで免疫系を若返えらせる可能性が報告されている(Ross et al., Nature 2024)。つまり、組織幹細胞の不均 [...]
トモグラフィシステムを用いた磁化プラズマの構造と揺動に関する研究 総合理工学府 総合理工学専攻 次世代のエネルギー源である核融合炉の課題として、乱流現象に起因する閉じ込めの悪化が挙げられる。プラズマ中では、様々なスケールの構造や揺らぎが共存・相互作用しており、プラズマは常に変化している。そのため、局所精密かつリアルタイムで計測できるシステムの開発が求められている。そこで、磁化プラズマを高速かつ高精度に観測できる計測法およびトモグラフィアルゴリズムの開発や得られたプラズマの時系列データを用いて [...]
黒毛和種の表現型に影響を及ぼすエピジェネティックな分子機構の解明 生物資源環境科学府 資源生物科学専攻 持続的かつ効率的な和牛生産には、大量の輸入穀物肥育を前提としない新飼養システムの構築が必要である。私は、生物の潜在能力を効率的に引き出し、生産性や肥育効率を向上させる新技術を開発したいと考え研究に励んでいる。胎仔期や初期成長期の飼養環境はその後の表現型に影響すると報告されているが、そのメカニズムは未解明である。本研究は、和牛の表現型に影響を及ぼすエピジェネティックな分子機構の解明を目的としている。 [...]
明治日本の建築の近代化過程における標準化の一様相 〜専売制導入時の大蔵技師妻木頼黄による施設計画〜 人間環境学府 空間システム専攻 本研究では,日清戦争後に急速に膨張した国家財政を賄うために導入された煙草と塩の専売制度の施行を支えた施設群が如何にして計画整備されたか,その実施過程を通史的に扱う。各地の現存建物・遺構や図面類,技術者の名簿など各種史資料の相互参照を通して,従来は県単位の個別論に終始しがちであった先行の近代化遺産調査報告の成果に対し,供給側の視点から一連の「専売建築」の全体像を明らかにする。
機械学習型力場を用いたタングステン中の空孔集合体と表面における構造安定性と水素挙動の解明 総合理工学府 総合理工学専攻 核融合炉は将来のエネルギー源として期待されている。炉内下部に位置するダイバータの表面材には環境特性に優れたタングステンが主要候補として挙げられている。タングステン中では原子空孔に水素同位体が捕獲されやすく、これにより欠陥構造の成長と、トリチウム吸蔵量増加による材料特性劣化および放射化が懸念される。タングステン内バルク中の水素–欠陥複合体のダイナミクス及び表面での水素挙動を明らかにするた [...]