保型形式を用いたL関数の特殊値及びその代数的部分の計算 数理学府 数理学専攻 数論的不変量とL関数の特殊値の関係性を調べることは、整数論における重要な課題の一つである。その一つであるBirch and Swinnerton-Dyer予想は、Hasse-Weil L関数のs=1における特殊値と、楕円曲線の有理点の個数を記述する階数という量の関係を主張するものである。ここで、楕円曲線とはy^2=x^3+ax+bという形をした方程式により定義される曲線の一種であり、フェルマーの最 [...]
希少糖5-KFの油脂生産酵母における代謝機構の解析および酢酸菌との共生関係の解明 生物資源環境科学府 生命機能科学専攻 希少糖5-ケト-D-フルクトース(5-KF)は酢酸菌の「酸化発酵」により生成される。近年グルコノバクタ―属酢酸菌において5-KFを変換し代謝する酵素が報告された。しかし、真核生物において希少糖5-KFの代謝に関する報告はない。申請者はこれまで、油脂生産酵母Lipomyces starkeyiが5-KFを代謝できることを明らかにし、酢酸菌と異なる新たな代謝経路を解明した。今後、遺伝子転写機構の解明や [...]
Zoom-in シミュレーションを用いた星形成環境と原始星進化の包括的解明 理学府 地球惑星科学専攻 星形成領域でどれくらいの質量の星がどの頻度で誕生するかは、星形成に限らず天文学分野全体の最重要課題である。本研究では、星形成領域全体と星1つの形成に関するスケールの異なる2種類の3次元磁気流体数値シミュレーションを組み合わせる手法 (Zoom-inシミュレーション) を開発し、多様な星形成環境と誕生する星質量の関係を世界で初めて統計的に明らかにする。特に、星形成過程で重要な原始星周辺からの質量放出 [...]
日本古代国家における支配構造と律令制 人文科学府 歴史空間論専攻 日本古代国家が社会や人民を刑罰によってどのように支配していたのか、中央の視点からは、天皇による意思決定過程が君主制的か貴族制的かを明らかにする。地方の視点では、末端行政区画の一つたる郡を統治する郡司がどの程度、在地豪族としての支配力をもって統治し得たのか明らかにする。平安期の史料には、死刑判決が天皇により拒否される事例が20例以上あるものの、先行研究ではこの拒否の手続きから天皇君主権を論じたものは [...]
炭素系触媒を用いたターコイズ水素の合成および副生炭素の有効利用に関する研究 総合理工学府 総合理工学専攻 水素の製造技術は水素の安定供給という観点から、水素社会実現の鍵を握る最も本質的な課題と言える。そんな中、製造時にCO2を排出しないターコイズ水素が注目されている。ターコイズ水素はメタンの熱分解によって合成され、CO2の代わりに固体の炭素(以下、副生炭素)が生成する。そのためCO2の貯留・回収にかかるコストを削減可能であり、環境面・コスト面においても優位性をもたらす。しかしながら、現状の副生炭素は利 [...]
初期宇宙におけるドメインウォールが触媒する相転移ダイナミクスの定量化 理学府 物理学専攻 本研究は、初期宇宙におけるドメインウォールが触媒する相転移ダイナミクスの定量化を目的とする。従来、触媒となるドメインウォールの数密度は定数として処理されてきたが、本研究では理論モデルの精密化によって厳密に導出し、相転移の完了条件をより正確に記述する。これにより相転移由来の重力波の波形や強度の予測精度が向上し、将来の重力波観測データから初期宇宙の姿を逆算・検証するための基盤となる。
電気インピーダンストモグラフィによる溶融スラグの物性理解 工学府 材料工学専攻 鉄鋼プロセスは大規模であるために,少しのプロセス効率化が大きな利益を生むことができ,そのために溶鋼や溶融酸化物などの物性値(粘度,電気伝導率等)が日々調査されている. 溶融酸化物に目を向けると実プロセスではバルク液相に加え固相,液相,気相を含むため物性の理解が困難となっている.理解を困難とさせている要因の一つとして自発光かつ懸濁しているために可視光での観察が難しいことが挙げられる. そこで本研究で [...]
プラズマ挙動の詳細計測による磁気ノズルの運動量効率の最大化 総合理工学府 総合理工学専攻 レーザー核融合ロケットは慣性核融合によって発生する高エネルギープラズマを用いて、大推力、低燃費が期待される次世代宇宙推進機である。推力は発散磁場(磁気ノズル)内で膨張するプラズマ表面に誘起される反磁性電流と磁場によるローレンツ力によって発生する。これまでの研究では、磁場エネルギーを増加させると力積が飽和する傾向が計測された。しかし、推力と磁場形状の関係や磁気ノズル内でのプラズマ挙動は不明である。本 [...]