Research Achievements 研究業績

佐伯 颯斗さん(工学府)の論文がThe Journal of Physical Chemistry Letters誌にアクセプトされました

佐伯 颯斗さん(工学府)の論文がThe Journal of Physical Chemistry Letters誌にアクセプトされました。
おめでとうございます!


著者名  
佐伯颯斗・江原 巧、宮田 潔志、小野 利和、 江本 暁 、吾郷浩樹、正岡 亜樹、 佐々木 陽一、原野 幸治、木本 浩司、 藤ヶ谷 剛彦、白木 智丈

所属学府
工学府 応用化学専攻

論文タイトル
Tetracene Inclusion in Boron Nitride Nanotubes for Photoluminescence Property Modulation Based on Aggregated State Control in Their Nanocavity
窒化ホウ素ナノチューブ細孔内におけるテトラセン会合状態調整に基づく発光特性の変調

要約 
本研究では、窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)の一次元ナノ細孔内にテトラセン(Tc)分子の集積化を化学修飾を伴わずに行った。作製した複合体(Tc@BNNT)中のTc包接量はTc分子の昇華条件で制御可能で、これに依存してTcの会合状態が変化する。その結果、Tc@BNNT中でTc集合体における一重項分裂を含む光物理過程が変化し、Tc会合体に由来する蛍光やエキシマー発光への発光モードの切り替えを可能にする。したがって、BNNTを用いたホスト–ゲスト複合体の作製は、ナノ細孔内の光機能化分子集合体の創製と評価だけでなく、その光物理過程の調整を可能にし、これによりTc@BNNTの発光色も調整可能である。

ジャーナル名
The Journal of Physical Chemistry Letters

関連するSDGs
SDGs 7 (エネルギーをみんなにそしてクリーンに)
SDGs 9 (産業と技術革新の基盤を作ろう)

喜びの声 
ナノチューブはその名の通りナノメートル(ナノ=ミリの100万分の1)スケールの細孔を持ちます。分子も1つ1つはナノスケールのサイズのため、ナノチューブ細孔内で分子は結晶と異なる配向で包接・集積化させることが可能です。BNNTは可視域から近赤外域で透明なナノチューブで、中に入れた分子の光学特性が評価可能なことは既に他の研究グループにより報告されていました。そこで私はBNNT細孔内に分子を集積させ、その状態の違いから生じる光物理過程の調整という独自のアプローチから本論文の研究を進めて参りました。この切り口でBNNTをホストとした包接研究はなく、本論文によりBNNT包接の研究領域に一石を投じられたことを大変嬉しく思います。研究を始めた当初はゲスト分子のみの溶液や固体状態とは異なる光学特性が見えただけでしたが、工学府と理学府、総合理工学府、NIMSの様々なバックグラウンドを持つ研究グループの方々と議論・検討を重ねて論文をアップグレードできました。この場を借りて共同研究いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。現在は本論文の知見を活かし、大気下でりん光を発する分子をBNNT細孔内に集積化した複合体を作製し、光学特性の変調や安定性向上に向けた検討を進めております。

関連リンク
K2-SPRING 2024年生 佐伯 颯斗さん(工学府)
学会で発表している様子