Research Achievements 研究業績

澤田 光平さん(統合新領域学府)の論文がApplied Catalysis A: General誌にアクセプトされました

澤田 光平さん(統合新領域学府)の論文がApplied Catalysis A: General誌にアクセプトされました。
おめでとうございます!


著者名 
澤田 光平・Sun Kim・渡邊 源規・Jun Tae Song・稲田 幹・石原 達己

所属学府
統合新領域学府 オートモーティブサイエンス専攻

論文タイトル
Magnesium-doped InGaO3 prepared by solid-state reaction for photocatalytic water splitting
水分解用光触媒としての固相反応法により合成したマグネシウム添加InGaO3

要約
固体反応法を用いて、InGaO₃へのカチオンドーピングが光触媒水分解活性に与える影響を検討した。さまざまなドーパントの中で、低原子価カチオンであるMg²⁺が光水分解活性を著しく向上させることが明らかとなった。NiOを担持したInGa₀.₉₅(Mg)₀.₀₅O₃は、水素および酸素の発生速度がそれぞれ760および342 µmol g⁻¹ h⁻¹と最も高い値を示した。注目すべき点として、Brunauer–Emmett–Teller(BET)法による表面積およびUV-vis 拡散反射(UV-vis DR)スペクトルによって推定されたバンドギャップは、InGaO₃とInGa₀.₉₅(Mg)₀.₀₅O₃の間で大きな変化は見られなかった。蛍光スペクトル(PL)および蛍光寿命スペクトルの結果から、Mgを5 at%ドーピングすることで電荷再結合が効果的に抑制され、電荷キャリアの分離が促進されたことが確認された。X線光電子分光法(XPS)により、ドーピングにより電荷的な中性を補填する形で触媒内部の自由電子濃度を低下させる酸素空孔の形成が明らかとなった。紫外光電子分光法(UPS)では、MgドーピングによってInGaO₃の価電子帯端が低下し、酸素生成反応の駆動力へ効果的であることが確認された。一方で、伝導帯にはほとんど変化がなかった。

ジャーナル名
Applied Catalysis A: General

関連するSDGs
SDGs 7 (エネルギーをみんなにそしてクリーンに)
SDGs 13 (気候変動から地球を守るために、今すぐ行動を起こそう)

喜びの声
本研究は、異原子のカチオンを微量添加した酸化インジウムガリウム(InGaO3)の光触媒特性を報告した論文になります。ガリウムインジウム系化合物は、光励起した電荷キャリアの移動度が高いことから近年高効率な水分解用光触媒としての注目を集めます。しかしながら、高い水分解活性を示すメカニズムが未だ不明瞭な点も多く、再現した研究グループが少ないことが課題となってきていました。我々はガリウムにイオン半径が近く、低原子価であるマグネシウムを微量添加したInGaO3が、触媒内部の電子濃度が制御されることによって高活性な水分解用光触媒であることを明らかにしました。本研究の知見を設計指針として活かし、さらに実用的な水分解用光触媒を開発することを目指します。

関連リンク
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