Research Achievements 研究業績

菖蒲迫 健介さん(理学府)の論文がResults in Applied Mathematics誌にアクセプトされました

菖蒲迫 健介さん(理学府)の論文がResults in Applied Mathematics誌にアクセプトされました。
おめでとうございます!


著者名 
菖蒲迫 健介・吉田 茂生・川田 佳史・中島 涼輔・藤岡 秀二郎・浅井 光輝

所属学府
理学府 地球惑星科学専攻

論文タイトル
A generalized smoothed particle hydrodynamics method based on the moving least squares method and its discretization error estimation
smoothed particle hydrodynamics (SPH) 法の移動最小二乗法による一般化と離散化誤差の評価

要約
本論文は、従来の smoothed particle hydrodynamics (SPH) 法の離散化モデルが最小二乗法によって一般化できることを示すとともに、様々なSPHモデルの離散化誤差を最小二乗法の打ち切り誤差に基づいて評価した。古典的なSPHモデルは粒子配置の対称性を仮定して定式化されているため、流れや変形によって粒子配置が乱れた場合には、その離散化精度に関して、0次精度も保証されない。すなわち、古典的なSPHモデルでは、解像度を向上させても誤差が減少せず、数値計算の精度が向上しない。そこで、粒子配置が乱れた場合においても1次以上の空間離散化精度を保証する高精度なSPHモデルが数多く提案されてきた。一方で、古典的なSPHモデルと高精度なSPHモデルの類似点と相違点を網羅的に調べた研究はこれまでになく、SPH法のユーザーにとって、最適なモデルを適切に選択することは困難であった。このような背景から、本研究では既存のSPHモデルを包括するSPH法の一般化式の構築を目指した。その結果、古典的なSPHモデルと高精度なSPHモデルが、移動最小二乗法(Moving Least Squares 法)と呼ばれる数学的な枠組みによって統一可能であることを明らかにし、任意の次数の空間微分に対して任意の精度を有するSPH法の一般化モデル「最小二乗SPH (Least Squares – SPH)法」を新たに提案した。また、その一般化式における打ち切り誤差を導出することで、様々なSPHモデルの離散化誤差を解析的に評価し、数値的に検証した。これにより、全ての古典的なSPHモデルが0次または「負の1次精度」であるという重要な知見が得られた。本論文では、これらの理論的な妥当性を検証するため、流体計算に関する複数のベンチマークテストを実施し、提案手法の有効性を確認した。

ジャーナル名
Results in Applied Mathematics

関連するSDGs
SDGs 9 (産業と技術革新の基盤を作ろう)

喜びの声
本研究は、院生融合研究プロジェクトの一環として実施したものです。本研究を論文化するにあたり、指導教員の吉田茂生先生、浅井光輝先生、ならびに共著者の皆様より多大なるご指導とご尽力を賜りましたことを、心より感謝申し上げます。
今後は、開発したLS-SPH法を応用し、様々な流体計算アプリケーションの実現を目指して参ります。

関連リンク
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