志久 開人さん(システム情報科学府)の論文がAssociation for the Advancement of Artificial Intelligence (AAAI) 2026 誌にアクセプトされました。
おめでとうございます!
著者名
志久 開人・西村和也・松尾 信之介・小嶋 泰弘 ・備瀬竜馬
所属学府
システム情報科学府 情報理工学専攻
論文タイトル
Auxiliary Gene Learning: Spatial Gene Expression Estimation by Auxiliary Gene Selection
空間遺伝子発現量の推定を目的とした補助遺伝子選択
要約
空間トランスクリプトミクス(Spatial Transcriptomics, ST)は,病理組織内の各スポットレベルで遺伝子発現を観測できる新しい技術です.ST は 1 つの組織切片において数万の遺伝子発現量を定量化できますが,その測定過程ではしばしば大きな観測ノイズが入り込みます.これまでの研究では,ノイズの影響を受けにくい評価を行うために,学習および評価の対象を高変動遺伝子のごく限られたサブセットに制限しており,このサブセットに含まれない遺伝子は学習過程からも除外されていました.しかし,遺伝子間には共発現関係が存在する可能性が高く,低発現遺伝子であっても評価対象遺伝子の推定に寄与し得ます.
本研究では,これまで除外されてきた遺伝子の利点を活用するために,それらの遺伝子の発現推定を補助タスクとして再定式化し,主要タスクと共同で学習する Auxiliary Gene Learning (AGL) を提案します.補助遺伝子を効果的に活用するには,ターゲット遺伝子の予測に有益な影響を与える補助遺伝子のサブセットを選択する必要があります.しかし、膨大な組み合わせが存在するため,これは困難な最適化問題となります.
この課題に対処するために,我々は事前知識を活用して遺伝子をランキングし,組み合わせ選択問題を微分可能なTop-k 選択問題として緩和した Prior-Knowledge-Based Differentiable Top-k Gene Selection via Bi-level Optimization (DkGSB) を提案します.実験の結果,補助遺伝子の導入が効果的であること,そして本手法が従来の補助タスク学習手法を上回る性能を示すことが確認されました.
ジャーナル名
Association for the Advancement of Artificial Intelligence (AAAI) 2026
関連するSDGs
SDGs 3 (すべての人に健康と福祉を)、 SDGs 9 (産業と技術革新の基盤を作ろう)
喜びの声
遺伝子発現データは病気のメカニズムを解明するために重要な役割を果たしますが,生物組織から遺伝子発現量を観測するには高い実験コストがかかるという課題があります。この課題を解決するため、画像認識モデルを用いて、生物組織の“画像から遺伝子発現量を自動的に推定“することを目指して工夫を行った研究が、AI分野のトップ国際会議に採択されました!